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 中国国家博物館で開催中の「中国歴代飲食文化展」は、文化財240点余りを展示して、歴史上の人々の日常生活を伝えています。展示品は、古くは良渚文化時期(紀元前3500年頃―紀元前2200年頃)の炭化米に始まり、さらに殷代(紀元前17世紀頃-紀元前1046年)の青銅食器、新疆トルファン地区で出土した唐代(618-907年)の菓子類、清代(1644-1914年)のヒョウタン形の彩色上絵付き食器などで、食材、器具、技巧、礼儀など様々な角度から、中国伝統の飲食文化が「味わい深く」展示されています。

 中国人は秦代(紀元前221年-同206年)や漢代(紀元前206年-紀元後220年)にはすでに、野菜や果物の人工栽培を始めました。展示室にあるガラス箱には、柔らかく膨らんだハクサイの模型が示されています。このハクサイの「成長経歴」は中国における植物の人工栽培史上で一里塚の意義を持ちます。

 ハクサイは古くは「菘(ソン)」と呼ばれ、漢代の記録も残っています。しかし現在のハクサイとは比べものにならないほど、品質は劣っていました。その後、南北朝時代(439-589年)にはハクサイが異彩を放つようになりました。当時は晩秋のハクサイと早春のニラが、野菜の中でも特に素晴らしいとされました。

 宋代(960-1279年)には、ハクサイの品種改良が進みました。新品種はしっかりとした大玉で生産量が多く、耐寒性もありました。そして、とても美味でした。宋代の詩人の蘇軾はハクサイを、「熊の掌のごとく美味」と表現しました。明代(1368-1644年)と清代には、ハクサイの栽培がさらに広まり技術も高まり、北は黄河流域から、南は長江流域の至るところで栽培されるようになりました。一方で、キュウリは前漢(紀元前206年-紀元後8年)の時代にインドから中国に伝わりました。明代の末期にはトウガラシ、パイナップル、トマトが初めて中国人の食卓に登場したとのことです。(玉華、鈴木)

記者:編集:崔煜

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