中国科学院深海科学と工程研究所によりますと、このほど、科学調査船「探索1号」「探索2号」による共同航海が南海北部で大きな成果を収め、文物の標本66点を発見しました。
今回の科学調査では、深度2000−3000メートルの海底で水中遺跡1カ所と3件の船体及び複数の醤釉壺(うわぐすりを塗って焼成したつぼ)が発見されました。考古学的調査深度においては、水中調査深度が初めて、2018年の1000メートルを突破しました。中国の南部沿海と西沙諸島の間を結ぶルートは、大陸棚、大陸斜面と南海の海盆にまたがり、水深は100メートル未満から3000メートルまでさまざまだということです。中国科学院深海科学と工程研究所の陳伝緒副研究員は、「今回の深海の遺構発見は、無人深海潜水技術の導入と、有人と無人深海潜水を組み合わせて適用したことによるものだ」と述べました。
これらの遺構について、画像データの抽出、3次元レーザースキャン、環境および船体の堆積物および木材サンプルの採取などの作業を行った結果、陶器、磁器、紫砂器、銅銭、船板など、66点の文物標本を抽出しました。(ヒガシ、坂下)